Tailored service

「マイ衛星」を実現

独自衛星の使い道

衛星を所有すること自体が目的でない限り、どのように使えば効果的なのかをよく検討する必要があります。地上でも実現可能なことを、わざわざ宇宙で行う意味はありません。宇宙でなければ実現できない、あるいは現状の技術では宇宙で実現することが最もリーズナブルという状況であって初めて、検討を先に進める価値があります。

独自衛星を考えるヒントとしていただくため、衛星がどのような特徴を持つのかを簡単にご紹介します。ただし、これはあくまで一般的な情報であるため、衛星を使ったサービスをイメージするための参考としてください。もちろん、ここに書かれている特徴を生かしていないからといって宇宙利用に不向きというわけではありません。そのインスピレーションを、ぜひ私たちに聞かせてください。

全球にわたるカバレッジ

多くの地球観測衛星は、地球を南北に回る軌道に投入されます。地球は西から東に自転しているおかげで、衛星は全世界の上空を訪れることができます。グローバルにサービスを展開するのであればこの性質はうってつけですし、特定の地域にこだわりたい場合であっても、世界の他の地域で同じようなローカルサービスを展開できるのであれば、その事業者と提携してリスクとコストをシェアすることも可能です。

高頻度・長期利用

独自衛星を検討する場合、1年に1度といった頻度の低い利用であれば、航空機やヘリ、気球、飛行船で代替できるかもしれません。初期費用は衛星を自前で持つよりずっと安いですし、画像の撮影であれば地表に近い分、より細かく地上の状況を把握できます(ただし、観測範囲は非常に狭くなります)。ただし、1週間に1回、あるいは毎日といった頻度で、ある程度長期にわたって利用するのであれば、ユーザーメンテナンス不要な衛星のほうがコストは大幅に下がるでしょう。飛行機のように格納庫は不要ですし、定期的に勝手に上空に飛んできてくれます。

他の利用者と衛星をシェアできるような状況では、衛星開発費などを別途支払う必要はなくなりますから、単発の利用であっても、人件費や燃料代などが都度かかる航空機やヘリよりも安くなる場合も多くなります。

利用の自由

宇宙空間には国境がなく、どの国のものでもありません。したがって、衛星の利用方法について、衛星が上空を通過する国の許可などは一切必要ではありません(その国の地上施設と直接通信する場合を除く)。

秘匿性

衛星がどのように利用されているかは、公開しなければ一般的には分かりません。あるいは一般の人からのアクセスの困難さを応用して、非常に重要なデータ(秘密鍵など)の保存場所として利用できるかもしれません。

耐災害性

台風、地震、山火事……。地上はさまざまな自然災害に襲われます。しかし宇宙に影響は及びません。災害時に利用できる地上バックアップ機能を持たせたり、あるいは復旧計画を立てるための現状把握に利用したりすることが考えられます。

宇宙環境

宇宙環境が地球上のそれとは違うこと自体を応用できる場合があるかもしれません。宇宙は過酷な場所です。高真空、放射線、温度変化。例えば温度は、太陽が当たっている側はすぐに100度を超えてしまいます。一方、陰になると−100度に下がってしまうことも。低軌道衛星は1日に14周くらい地球の周りを回りますので、1日に14回、昼の高温と夜の低温を経験することになります。

軌道上からさらに反地球側を見てみても面白いかもしれません。地球の大気の影響がないので、よりたくさんの星々が衛星を迎えてくれることでしょう。

広域観測

地球の周りを回る超小型衛星の多くは、おおよそ高度500km~800kmくらいのところにいます。このため、一度にかなり広範囲の視野が得られます。例えば、WNISAT-1では北極海の広い範囲を一度の撮影でカバーすることが求められたため、500km四方の領域が撮影できるようなカメラを搭載しています。

本当の答えは、あなたの頭の中

いずれにせよ、宇宙や衛星の特性をご理解いただいたうえで、宇宙で何をしたいのか、衛星に何をさせたいのかを決めるのは、お客様です。私たちにできることは、これまでの経験や知識を駆使して、お客様の「やりたいこと」の実現のためにお手伝いをすることです。

「宇宙からこういうものが見えないだろうか。」

「宇宙だったらこんなことができるのではないか。」

そのインスピレーションを、ぜひ私たちに伝えてください。衛星にはできないかもしれない、などと心配する必要はまったくありません。衛星や宇宙に対して先入観のないお客様の方が、私たちが考えるよりずっと役に立ち、面白い利用法を考えつくものです。その貴重なアイデアをどう現実のものとするかが、私たちの腕の見せ所です。

それは、地上のシステムで実現した方が安上がりかもしれません。それは、超小型衛星の能力をはるかに超える要求であるかもしれません。それでも、私たちは誠実に検討した結果をお示しし、お客様の判断を仰ぎます。なぜならそれが、「衛星開発会社」ではなく「宇宙ソリューションプロバイダー」としての、私たちの役割だからです。

衛星プロジェクトの流れ

衛星プロジェクトはどのように進んでいくのか、ご紹介します。なお、お客様に対して衛星プロジェクト全体を通した契約を一度にお願いすることは決してありません。ステップごとにお客様と一緒に成果を確認し、次に進むかどうかの判断を仰ぎます。お客様の利用アイデアを最終的に実現し、満足していただくために、丁寧に前へ進めていきます。

ブレインストーミング

いきなり衛星を作り始めることは決してありません。最初にお客様にあるのは、大まかな利用イメージです。衛星で解決できるかどうかすら、まだ分かりません。お客様と何度もディスカッションを繰り返す中で、お互いの間でイメージがだんだん具体化していきます。このプロセスは、衛星開発プロジェクト全体の中でも最も大事なところです。しっかり時間をかけて、検討を進めていきます。

フィージビリティスタディ

イメージがある程度具体化してきて、私たちとお客様の間でそれをシェアできるようになったら、それを技術的に実現可能かどうか、もう少し突っ込んで検討を行います。衛星を開発する場合にはどんな衛星になるのか、アイデアを数字に落とし込み、仕様書を作っていきます。

BBM開発

もし新規開発要素の多い衛星になった場合(特に新しいタイプのミッションの場合)は、ブレッドボードモデル(略称BBM)と呼ばれる、基本機能を確認するモデルの製作が必要になる場合があります。このモデルは、衛星全体を作るというよりは、新規開発が必要な箇所のみの部分モデルとなるイメージです。既存技術とその応用のみで衛星を作ることができると判断される場合には、このステップはスキップすることもあります。

EM開発

BBMの開発を通してお客様のアイデアを実現するための技術的なハードルをクリアすると、本格的な衛星の開発に入ります。これをエンジニアリングモデル(略称EM)と呼びます。実際に全体を作ってみることで、衛星として機能することを確認することができます。この期間が、衛星開発全体の流れの中でかなりの割合を占めることになります

性能試験・環境試験

EMを使って、徹底的に試験を行います。一度宇宙に行った衛星は修理できません。簡単には壊れない、強い衛星であるために、設計通り動くかどうかの確認はもちろんのこと、振動試験、衝撃試験、真空試験、温度試験など、さまざまな宇宙環境を模擬した試験にかけ、不具合が発生しないかどうかをチェックしていきます。

FM開発

EMで衛星が機能することを確認できたら、必要と判断された修正を加えたうえで、実際に宇宙に行く衛星を開発していきます。これをフライトモデル(略称FM)と呼びます。衛星はホコリを嫌うので、FMはすべて空気中を漂う粒子の量が管理されたクリーンブースの中で製造、試験されることになります。

打ち上げ

すべての衛星は、打ち上げを経なければ宇宙に到達することはできません。打ち上げ日が近づくと射場に衛星を運び込み、最終チェックを行ったうえでロケットの先端部に衛星を取り付けます。その作業の後は、打ち上げの無事成功を祈るのみです。なお、打ち上げ事業会社との契約は、少なくとも打ち上げ1年以上前に行うのが一般的です。EM開発に進んだ頃から、打ち上げロケットの選定を進めておく必要があります。これも弊社が全面的にサポートいたします。

初期運用

打ち上げが成功すると、衛星は目標の軌道で分離され、自動的に動作を始めます。地上では衛星から送られてくる電波を解析し、健康状態を一つひとつ確認していきます。この後のミッション開始に向けて、2週間から1か月くらいをかけて入念なテストを繰り返します。

定常運用

衛星の正常が確認されると、いよいよお客様のミッションの開始です。目的の達成のため、衛星を徹底的に使いつくしてください。

後期運用

過酷な宇宙環境の中で衛星の使用を長く続けると、どうしても性能が劣化してきてしまいます。提供するサービスの品質に影響が出始める前に、定常運用を終了します。ただし、この時点で衛星が全く使用できなくなるわけではありません。将来を見越したさまざまな実験やリスクの高い運用など、万一の場合使用不能になっても仕方ないミッションにチャレンジすることがあります。これを後期運用と呼んでいます。

運用終了

衛星は役割を果たし終えると、貴重な電波資源を無駄にしないためにも送信電波を停止させる必要があります。これを停波と呼びます。また、衛星は停波しても地球の周りを回り続け、宇宙ゴミになってしまいます。なるべく早く地球の大気圏に突入させるため、軌道高度の低下を促進させる機能を付けている衛星もあります。その場合はその機能を起動させたのちに停波することになります。停波により、衛星はその一生を終えます。

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