地球のために、全力
アクセルスペースは宇宙ビジネスを営む企業である前に、地球上で活動する責任ある社会の一員です。将来にわたって人類が地球で生活し、地球を取り巻く宇宙空間を活用し続けられるようにするために、私たちにもできることがあります。
例えば、増え続ける宇宙ゴミ(デブリ)の問題は一般にもよく知られています。アクセルスペースはデブリ化を防ぐための高いレベルの衛星設計・製造・運用基準を自ら設定し、業界をリードする宇宙環境先進企業となることを宣言します。
Green
Spacecraftとは、地球環境に最大限配慮した宇宙機の製造手法、地球周回軌道上での宇宙ゴミ化防止策などから構成される、アクセルスペースが提案するサステナビリティに関するコンセプトです。各国政府や国際機関が提示する一般的なガイドラインで要求されるよりも広い範囲で一段高い基準を設定しており、アクセルスペースが今後開発するすべての衛星がこのGreen
Spacecraft基準を満たすことをお約束します。
世界で宇宙事業を営むすべてのプレイヤーがGreen
Spacecraft基準に適合することができれば、宇宙の環境問題は解決に向けて大きく前進します。なるべく多くのプレイヤーがGreen
Spacecraftのコンセプトに賛同し、業界全体でサステナビリティに向けた取り組みが活発化するよう、アクセルスペースは働きかけを強めてまいります。
人工衛星がGreen Spacecraftとして認められるために、事業者がクリアすべき主な項目を示します。詳細な定量的基準については、現在検討中です。
グリーン製造の実現
調達や輸送を含む衛星の製造過程すべてにおいて環境負荷を最小化するための「ガイドライン」を策定し、衛星製造に関わるすべての組織が本ガイドラインを遵守します。
衝突回避運用の実施
運用中の衛星と他の軌道上物体との衝突確率が十分安全なレベルになるように、衝突回避運用を実行します。
運用終了後の確実な廃棄
衛星の運用終了後、十分に高い成功率で一定期間内に軌道外に廃棄します。
※低軌道衛星の場合は高度を下げて大気圏に突入させます。
安全な大気圏突入
低軌道衛星の廃棄のために大気圏に突入させた時、残存物が地上に落下するリスクが十分安全なレベルになるような材料の選定や構造設計を実施します。
国際標準の確立および普及への貢献
現在制度設計中の宇宙事業者向けサステナビリティ評価制度SSR (Space Sustainability
Rating)の趣旨に賛同し、実効的な評価指標の確立と業界への普及に主体的に貢献します。正式稼働後には、安定して高い評価ランクを獲得します。
※アクセルスペースはベータテスターとしてSSRの活動に参画しています。
D-SAILとは、アクセルスペースがサカセ・アドテック株式会社と協力して開発したデオービット機構(軌道離脱装置)です。起動すると、大きな膜面を展開します。地球低軌道上にも薄い大気があるので、これがドラッグ(抵抗)として働き、衛星の軌道運動にブレーキをかけます。国際的なガイドラインでは、衛星の運用終了後、大気圏に突入するまでの時間を25年以内にするよう要請されていますが、D-SAILの活用によって10年以下にまで短縮することができます。
また、D-SAILは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の革新的衛星技術実証3号機の実証テーマに選定され、2022年度に軌道上実証予定であり、以降アクセルスペースの開発する衛星には標準搭載を予定しています。