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宇宙戦略基金「次世代地球観測衛星に向けた観測機能高度化技術」に採択

MAR - 30 - 2026

PRESS

~衛星コンステレーション・航空機によるCO2発生源別排出・吸収量観測を通じて、気候変動対策の課題解決と新市場へのソリューション開発を目指します~

株式会社アクセルスペース(本社:東京都中央区、代表取締役:中村 友哉)、明星電気株式会社(本社:群馬県伊勢崎市、代表取締役社長:夏明 正伸)、ANAホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:芝田 浩二)、株式会社JIJ(本社:東京都港区、代表取締役CEO:山城 悠)の4社は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募する宇宙戦略基金の技術開発テーマ「次世代地球観測衛星に向けた観測機能高度化技術」において、提案した技術開発課題が採択されたことをお知らせいたします。

今回採択された宇宙戦略基金事業の概要
・技術開発テーマ名:次世代地球観測衛星に向けた観測機能高度化技術
・技術開発課題名:衛星編隊・旅客機観測によるCO2発生源別排出量・吸収モニタ
・代表機関:株式会社アクセルスペース(研究代表者:久世 暁彦)
・連携機関:
 明星電気株式会社(研究分担者:村尾 一、岩下 久人)
 ANAホールディングス株式会社(研究分担者:松本 紋子)
 株式会社JIJ(研究分担者:牧野 大介)
・関連情報:宇宙戦略基金ウェブサイト「次世代地球観測衛星に向けた観測機能高度化技術」
 https://fund.jaxa.jp/techlist/theme2_8/

技術開発課題のイメージ図。本基金事業の技術開発では、小型センサの新規開発およびその軌道上実証を行う。
将来的には、異なる時間帯に観測可能な衛星コンステレーションの構築を視野に入れている。

本技術開発の背景・目的
世界共通かつ喫緊の課題である気候変動対策として、現在二酸化炭素(CO2)排出削減やネットゼロに向けた技術開発や企業・自治体の削減努力が日本をはじめ世界各地で行われています。温室効果ガスの排出は気候変動の最大要因であり、排出量・吸収量に対して経済的価値に換算する試みもなされています。しかし、こうした取り組みの結果を公平・公正に評価するためには、国際的な基準に基づく定量的な評価手法と、その根拠となる詳細な排出・削減量データが不可欠です。「グリーンウォッシュ(実態が伴わないのに環境に配慮しているように装う「見せかけの環境対策」のこと)」が世界的に問題となっている中、透明性の高い観測データの重要性が高まっています。
JAXAをはじめとする世界の主要宇宙機関はこれまで全球のCO2の濃度観測を実施してきましたが、温室効果ガス削減に重要な、どの発生源からどれだけのCO2量が発生しているのか、また植物がどれだけのCO2量を吸収しているのかという情報は、ごく一部の地域や特定の吸収・排出源への研究にとどまっています。このため、温暖化対策に資する粒度の高い情報を提供するデータを取得するためには、計測手法の確立が必要となります。
そこで本技術開発後は、新たに構築する衛星コンステレーション※1に加え、航空機および地上センサを活用することで、大都市が集中する地域での朝・昼・夕の異なる多地点・同時観測を行うことを構想しています。これにより得られる観測データを活用し、発生源別(時刻別・地域別)にCO2の排出・吸収量を解析・提供します。こうした客観的かつ透明性の高い情報は、温室効果ガス削減のための国際的な指標値となり、削減に対する経済的インセンティブを伴う世界共通の評価指標作りに貢献できると考えています。

※1 複数の人工衛星を協調させてひとつのシステムとして動作させること。

本技術開発の概要
衛星コンステレーション・航空機・地上が連動した時刻別・発生源別のCO2モニタリングを実現するためにまず鍵となるのが、分光計の小型化・低価格化です。
分光計は、空気中の成分が特定の波長の光を吸収する性質を利用し、その吸収量からガス濃度を測定する装置です。本基金事業では、従来の政府衛星向けの高精度ではあるが大型かつ高額な分光計に対し、最新の国産の検出器技術を採用して衛星・航空機・地上観測で共通して使える小型センサを新たに開発します。
その後、航空機による観測実験を重ねつつ、2030年度から2032年度を目処に、開発した小型センサを搭載した実証衛星を打ち上げ、軌道上観測データの取得を計画しています。

本技術開発後の展望
本技術開発の成果を踏まえた事業化にあたっては、事業者単位でのCO2排出・吸収量導出に加え、導出および検証の根拠となるデータ(化石燃料燃焼時に発生する二酸化窒素(NO2)、植物光合成蛍光(SIF)、気象条件(風向・風速)、航空機・地上気象ネットワーク等)を合わせて提供することでデータの信頼性を上げ、国際的なCO2モニタリングの指標づくりと標準化を目指します。

4社は、本技術開発による革新的な衛星基盤技術の獲得を通じて、産官学のステークホルダーと密接に協力しながら、気候変動対策における課題解決と新たな市場の開拓、ひいては日本の国際競争力の底上げに貢献してまいります。

各社の役割
本基金事業に参画する各社は、それぞれ以下の役割を担います。

■ 株式会社アクセルスペース
本事業における役割:本技術開発における代表機関として、創業以来17年にわたる小型衛星の開発・利用実績を生かし、搭載センサの開発支援・インテグレーション、航空機による検証システムの構築、大量の分光データ処理の最適化、センサ実証用衛星開発、軌道上データ評価および全体統括を行います。

株式会社アクセルスペース 代表取締役 中村 友哉のコメント
「日本は、温室効果ガスを宇宙から観測する衛星『いぶき(GOSAT)』を、世界に先駆けて打ち上げた国です。本基金事業では、JAXAにおいてこの温室効果ガス観測に長年従事し、いぶき2号(GOSAT-2)プロジェクトの元プロジェクトマネージャである久世が研究代表者を務めます。気候変動は人類にとって喫緊の課題であり、実効的な対応を各国・各事業者に促すためにも、客観性・透明性のある温室効果ガス排出量の排出源別観測は極めて重要な施策になります。当社は、日本が持てる技術・知見を結集し、科学的裏付けを背景に国際ルール策定を主導し、サステナブルな社会の実現と新たな市場の開拓を積極的に進めてまいります。」

■ 明星電気株式会社
本事業における役割:地球観測衛星・科学衛星でのセンサ開発の実績をもとに、国産検出器の搭載化設計と評価を行い、センサ実証機を開発します。

明星電気株式会社 代表取締役社長 夏明 正伸のコメント
「明星電気は創業以来、環境計測技術を基盤として成長し、近年はCO2ゾンデや地上からの分光計測技術を用いた温室効果ガス観測に取り組んでまいりました。また宇宙分野では、はやぶさ2やSLIMなどのJAXAプロジェクトにおいて、近赤外分光計の開発で実績を重ねています。地上の環境計測と宇宙環境に対応したセンサ開発の両領域を手がけてきたことは、当社の技術的な独自性と総合力を示すものです。今回、その幅広いセンシング技術を結集し、国産検出器を搭載した新たなセンサシステムの開発に参画いたします。明星電気は、本プロジェクトを通じて温室効果ガス排出の透明性向上と削減に貢献するとともに、独自のセンシング技術をさらに進化させ、革新的な観測ソリューションの提供を進めてまいります。」

■ ANAホールディングス株式会社
本事業における役割:自社の有する航空路線網を用い、衛星データとの組み合わせにより、炭素収支解析結果の検証と詳細化を行います。また、今回開発する衛星搭載用センサに関して、軌道上実証前の地上検証の場として、航空機内の観測実証可能な場所を提供します。

ANAホールディングス株式会社 執行役員 グループ経営戦略室事業推進部長 浜出 真のコメント
「世界初となる衛星コンステレーション、定期旅客便、および地上ネットワークを統合した温室効果ガス観測プロジェクトに、宇宙戦略基金を通じて参画できることを大変嬉しく思います。当社がJAXAとの共同研究で培ってきた独自の航空機リモートセンシング観測の知見を活かし、日本を代表する宇宙スタートアップであるアクセルスペース、気象・宇宙用センサ開発の高度な技術力を有する明星電気、および量子技術の先駆者であるJIJと共創することは、オープンイノベーションによる宇宙産業の社会実装を加速させるものと考えています。宇宙と空のインフラが密に連携し、複雑な都市気象下においても、膨大なデータを量子コンピューティングで高速処理することで、これまでの常識を覆す高頻度・高精細な観測データの活用を目指します。本取組みが日本の国際競争力強化に貢献するための大きな一歩になると確信しています。」

■ 株式会社JIJ
本事業における役割:数理最適化・量子技術の先駆者として、取得したイメージング分光データに対する高精度なCO2排出測定アルゴリズムの開発と、その発生源別排出量推定処理の最適化を行います。

株式会社JIJ 代表取締役 CEO 山城 悠のコメント
「気候変動は喫緊の地球規模の課題であり、その解決には客観的なデータに基づく意思決定が不可欠です。本基金事業において、各分野のリーダーと共にこの世界的課題に挑めることを誇りに思います。
JIJは創業以来、数理最適化や量子技術の社会実装を推進し、エネルギーマネジメントの最適化や物流ネットワークの効率化など、複雑な最適化問題を解決してまいりました。本事業では、これらの実績から得た知見を最大限に活かし、衛星や航空機による多層的な観測データから高精度なCO2排出量を導き出すという極めて難度の高い課題に対し、従来とは異なるアプローチを用いた新しい解析手法の開発に挑みます。我々の技術力で観測インフラのポテンシャルを最大化し、透明性の高い国際的な環境評価指標を確立することで、日本発の技術によるサステナブルな社会の実現と、新たな市場の開拓に貢献してまいります。」

また本基金事業は、 機器開発、データ観測手法の確立、本技術開発期間終了後に目指す衛星コンステレーション構築と取得データ活用の社会実装に向けて、国立大学法人香川大学、株式会社三菱UFJ銀行、東京海上日動火災保険株式会社、米国・Universities Space Research Association(USRA)と協力して進める予定です。

アクセルスペースについて
「Space within Your Reach〜宇宙を普通の場所に〜」をビジョンに掲げ、2008年の創業から世界に先駆けて小型衛星の開発に取り組んできました。小型衛星の設計、製造、軌道上運用における独自技術を基盤に、顧客の宇宙ミッション実現のための衛星開発・運用事業「AxelLiner(アクセルライナー)」、自社の光学衛星コンステレーションによる地球観測データ提供事業「AxelGlobe(アクセルグローブ)」を展開し、多様な産業のニーズに応えるソリューションを提供しています。これらの事業活動を通して、誰もが宇宙を利用できる社会の実現を目指しています。

株式会社アクセルスペース
所在地:東京都中央区日本橋本町3丁目3番3号 Clipニホンバシビル
代表取締役:中村 友哉(なかむら ゆうや)
設立:2008年8月
https://www.axelspace.com/ja/

本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先

  • 株式会社アクセルスペースホールディングス 経営管理本部 経営企画グループ PR&IRユニット

    E-mail:pr@axelspace.com

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