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WNISAT-1R

海氷、台風、火山。
最新の情報を、宇宙から。

WNISAT-1R (WNISAT-1 Revised) は北極海域の海氷の観測を主な目的とした質量43kgの超小型衛星です。2013年打ち上げのWNISAT-1で獲得した技術を継承・発展させ、アクセルスペースとウェザーニューズの共同で開発されました。WNISAT-1Rは宇宙から以下の3つのミッションを行います。

  1. 海氷・台風などのカメラによる光学観測ミッション
  2. GPS等の測位衛星の反射波を利用して地球表面の状態を観測するGNSS-R (Global Navigation Satellite System – Reflectometry) ミッション
  3. 将来の超小型衛星のデータ量増大に向けた光通信の基礎技術実証ミッション

本衛星は2014年に打ち上げられたほどよし1号機のバス技術をベースに新規開発したミッション機器を搭載することで、WNISAT-1を大きく上回る観測性能および衛星の基本性能を達成しながらも、短期開発によりコストを抑えることに成功しました。

光学観測ミッション

北極海の氷は、近年の地球気候変動の影響を受けて、年々減少しています。以前は氷に阻まれて北極海を通過するのは困難でしたが、この変化を受けて夏の間、船舶がこの海域を通過できるようになってきました。この新しい航路は「北極海航路」と呼ばれています。

例えば日本・ヨーロッパ間の船舶による物資輸送を考えると、北極海航路を利用することにより、輸送距離は従来のマラッカ海峡・スエズ運河経由の2/3、あるいは喜望峰周りの半分にまで短縮されます。このように北極海航路により航海時間の短縮、燃料費の節約が実現でき、さらに地球環境保護への貢献ができるため、船会社の間で北極海航路の活用への期待が高まっています。一方、北極海では夏場でも航路上に海氷が残っている可能性があるものの、観測情報が少ないため、船舶の安全運航のリスクの一つとなっています。

長年、海運業界を支援してきたウェザーニューズは海運業界からの期待を受け、北極海の海氷を監視し、船舶の安全運航を支援するための衛星をアクセルスペースと共同で開発することを決定しました。

GNSS-Rミッション

光学観測は高い品質の観測データが得られる一方で、観測対象が日照かつ晴天の時に限られます。日照条件や天候に左右されずに観測を行うためには電波を用いたセンサを搭載する必要がありますが、大電力を送信する必要のあるレーダーや大きなアンテナを展開するマイクロ波放射計などの従来の電波観測は超小型衛星には不向きでした。

そこで、WNISAT-1RではGPSなどの測位衛星から送信される電波の地表面からの反射波を受信して解析することにより、地表面や海面状態の観測を行います。本ミッションではGNSS反射波受信アンテナをウェザーニューズが担当し、受信信号処理部をアクセルスペースが担当する共同体制で開発を行いました。

光通信ミッション

近年の超小型衛星のセンサ技術の発展に伴い、ミッションデータ量が急激に増大しつつあります。衛星の取得したデータを地上にダウンリンクするには、地上のモバイル機器と同様に電波を用いますが、有限の周波数資源を世界の衛星でシェアしているため、将来的に逼迫することが予想されます。

このため、電波よりも帯域幅が広く指向性の強い光通信が次世代の衛星通信技術として注目されています。しかし、光通信を実現するには衛星と受信局がお互いの方向を精密に向く必要があり、高度な技術を要します。これまで各国の研究機関により光通信の実証実験が行われていますが、WNISAT-1Rでは民間衛星として低コストに光通信を実現するための基礎技術実証実験を行います。

WNISAT-1Rの搭載カメラはWNISAT-1から多くの面で性能向上が図られています。WNISAT-1の可視光カメラは地上のデジタルカメラと同様に一つのセンサでRGBの3色を撮影するタイプでした。WNISAT-1R搭載カメラでは、4つの観測波長をそれぞれ独立のカメラで撮像することで、波長ごとの解像度および波長選択度を改善しています。

カメラ台数 4台(各バンド独立)
観測波長 パンクロ1 450-650nm
535-607nm
620-680nm
近赤外 695-1005nm
画素数 2048 × 2048
ビット深度 12 bit
地表分解能 近赤外/赤 400m
緑/パンクロ 200m

1. 本ミッションにおけるパンクロとは、可視光全域を感度域とするバンドのことです。

WNISAT-1Rでは2014年打ち上げのほどよし1号機で実証された50kg級衛星バス技術をベースにしています。

サイズ 524 × 524 × 507 mm (突起部含まず)
質量 43 Kg
ダウンリンクレート X-band: 10-20 Mbps
発生電力 55-59 W (軌道平均)
姿勢制御 三軸制御(指向精度0.1度) デスピン
太陽指向
地球指向(nadir or off-nadir)
固定地点トラッキング

打ち上げ日時 2017年7月14日 15時36分49秒(日本時間)
ロケット ソユーズ
射場 カザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地
軌道 太陽同期軌道、高度600km

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