
アクセルスペースは「AAA」という社内表彰制度を実施しています。AAAには2つの定義があり、一つは会社への功績をたたえるAxelspace Achievement Award、もう一つは日頃の感謝を伝えるAxelspace Appreciation Awardです。各賞はアクセルスペースの行動指針であるAxelspace Wayに基づいています。
この社員インタビューシリーズは、2024年度のAAA受賞者を紹介します。
第4回は、Axelspace Appreciation Awardのチーム部門「挑戦したで賞」に選ばれたAxelLiner事業本部 事業開発グループ 事業開発ユニットです。Axelspace WayのCelebrate Challenges をどのように実践してきたか、受賞当時のメンバーの加藤さんと伊澤さんに伺いました。
加藤(Kato)さん / 伊澤(Izawa)さん
株式会社アクセルスペース AxelLiner事業本部
事業開発グループ 事業開発ユニット ※当時

毎夕のミーティングで築いたチームの信頼関係
AxelLiner事業本部の事業開発ユニットは、顧客の宇宙ミッションを実現する衛星開発・運用事業「AxelLiner(アクセルライナー)」において、衛星の価値を顧客に届けるために必要なプロセスのうち、衛星製造以外のすべてを担っていました。
AAA受賞当時のユニットメンバーは、ユニットリーダーの加藤さんを含む7人。衛星打ち上げの「三種の神器」と呼ばれるロケット、地上局、保険の手配のほか、宇宙空間で衛星を運用するための許認可手続き、顧客営業などの広範にわたる業務に、それぞれの強みや経験を生かして取り組んできました。新しい衛星技術の開発に向けた社外組織との窓口もこのユニットの担当でした。
「一人ひとりの役割が違い、会社の方向性を把握しながら別々に動いている。だからこそ、みんながチームを大事にしている。誰かが困ったらみんなで助けようという雰囲気がありました」と伊澤さん。「夕会」というオンラインミーティングを毎日夕方に30分実施し、コミュニケーションの量を増やすことで信頼関係を築いてきました。
このようなメンバー同士の信頼が、既存事業を超えた積極的な挑戦につながったのかもしれません。

衛星利用の新サービス立ち上げに尽力
このユニットが「挑戦したで賞」に選ばれたのは、宇宙機器の部品メーカー向け新サービス「AxelLiner Laboratory(アクセルライナーラボラトリ、AL Lab)」の立ち上げに尽力したからです。AL Labは顧客企業の部品(コンポーネント)を載せた衛星を打ち上げ、宇宙の軌道上での実証機会を提供するサービスです。これまで宇宙用に製造していなかったメーカーの宇宙業界への新規参入を促すきっかけになり、アクセルスペースだけでなく、業界全体の成長につながることが期待されます。
「生みの苦しみがありました」。1年かけてサービス設計と技術要件の定義に取り組んだ日々を、加藤さんは振り返ります。
AL Lab発案のきっかけは、「衛星を使って何をしたいですか」と営業先企業に問いかけるなかで「軌道上実証」がキーワードとして上がってきたことでした。約100社にヒアリングし、各社の要望が技術的に可能かどうかを社内のエンジニアと議論を重ね、サービスを形づくってきました。「他のプロジェクトも抱えるエンジニアたちにたくさん助けられた。そんな自分たちがAAAで評価され、ありがたい気持ちです」
2026年にAL Lab第一号の顧客製品を打ち上げる予定です。その後も定期的に衛星を打ち上げ、メーカーが希望するタイミングで実証機会を利用できることを目指しています。「一機の衛星に複数企業の機器を載せて定期的に打ち上げるのが目標。マーケットリーダーになっていきたい」と加藤さんは意欲を見せます。
伊澤さんは「いまは宇宙部品が高価なため、衛星を企業がビジネスに利用しにくいという課題がある。AL Labによって実証機会を増やせば、市場により安く高性能な宇宙部品が普及する。それにより衛星が利用しやすくなり、宇宙を誰もが使える社会になっていくと思う」と話しました。