Projects

GRUS-1
次世代の地球観測衛星で見る、
この星のすべて。
GRUS(グルース)はアクセルスペースが開発している次世代型超小型地球観測(リモートセンシング)衛星です。100kg級の超小型でありながら、地上分解能2.5mの地球観測が可能となります。2018年に最初の衛星を打ち上げ、その後さらに多数の衛星を軌道に投入し地球の様子を高頻度に観測できるようになります。コンステレーションには星座という意味もあり、これらの衛星は鶴の群れの様に地球を周回することから、英語でつる座を意味するGRUSと名づけました。
なおGRUS-1Dは、福井県民衛星「すいせん」のコードネームです。
GRUS-1A: 定常運用中(軌道上)
GRUS-1A: 定常運用中(軌道上)
GRUS-1BCDE: フライトモデル製造中
背景・目的
背景・目的
今までのリモートセンシング画像の利用には、価格が高く、希望したタイミングで希望した領域の画像が取得できるとは限らないという問題がありました。これはこれまでリモートセンシング画像を撮影してきた衛星が製造コストが高い大型衛星であることが主な原因です。衛星の製造コストが高いために画像の価格が高くなるだけでなく、数多くの衛星を製造することができませんでした。衛星の数が少ないためにユーザーの順番待ちや、そもそも希望地点を通過するまで時間がかかるという問題が発生していたのです。またこのような状況のため専門的な知識を持ったヘビーユーザーが多く、幅広い層のユーザーに利用されているというような状況ではありませんでした。このような状況を受け、GRUSでは低コストな超小型衛星を多数製造し、軌道上に配置することで地球全体のリモートセンシング画像が高頻度に更新されるシステムを構築します。これによって入手しやすく、タイムリーに幅広いユーザーに利用してもらえるサービスを提供します。

GRUSファーストライト画像
GRUS衛星で取得できる画像には地上分解能(地上の物体をどれだけ細かく見分けられるか)2.5mのパンクロマティック画像と呼ばれるいわゆる白黒画像、地上分解能5.0mのマルチスペクトル画像と呼ばれる青、緑、赤、レッドエッジ(植生の状態の観察に重要な波長)、近赤外の各波長の画像があります。またGRUS衛星は超小型でありながら、最新の光学系・センサーを用いた望遠鏡を搭載することで幅50km以上の広範囲の領域を撮影することができ、効率的に地球全体の画像を取得できます。このようなGRUS衛星を多数打ち上げることで、地球全体の画像が毎日更新されるようになり、その画像やそこから得られるデータを農業、林業、水産業、地図作成、GIS、災害監視等の目的に利用できるようになります。
高頻度に更新されるデータを用いることで、これまでのような現在の状態の把握だけでなく、将来的な変化の予測のようなこれまで難しかった用途にも活用が期待されています。
GRUS衛星は2018年に打ち上げを開始し、その後、順次数を増やしていきます。詳しくはAxelGlobeのページをご覧ください。
地上分解能 | パンクロマティック:2.5m | |
---|---|---|
マルチスペクトル:5.0m | ||
バンド | パンクロマティック | 450-900nm |
青 | 450-505nm | |
緑 | 515-585nm | |
赤 | 620-685nm | |
レッドエッジ | 705-745nm | |
近赤外 | 770-900nm | |
刈幅 | 57km以上 | |
寿命 | 5年以上 | |
ビット深度 | 12bit |
サイズ | 600 x 600 x 800mm以内(突起部含まず) |
---|---|
質量 | 100kg |
ダウンリンクレート | 200Mbps |
GRUS-1A
打ち上げ日時 | 2018年12月27日 11時07分18秒(日本時間) |
---|---|
ロケット | ソユーズ(Soyuz-2) |
射場 | ロシア連邦ボストーチヌイ射場 |
軌道 | 太陽同期軌道、高度 600km |
GRUS-1B, 1C, 1D, 1E
打ち上げ日 | 2021年3月20日(予定) |
---|---|
ロケット | ソユーズ(Soyuz-2) |
射場 | カザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地(予定) |
軌道 | 太陽同期軌道、高度 600km |